Fused Filament Fabrication(フィラメント溶解製法)
3Dプリンティング技術の中でも最も普及している方式の一つ、FFF(Fused Filament Fabrication:フィラメント溶解製法)について、その特徴と活用方法を詳しく解説します。
FFFとは?基本的な仕組み
FFFは、熱可塑性樹脂のフィラメントを加熱して溶かし、層を積み重ねていくことで立体物を造形する技術です。ノズルから押し出された溶けた樹脂が冷えて固まることで、一層ずつ形状を作り上げていきます。

参考:Polymaker PLA フィラメント
フィラメントは様々な材料で作られ、代表的なものとして以下の材料などが用いられます。
- PLA(ポリ乳酸)
- ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
- PETG(ポリエチレンテレフタレートグリコール)
- TPU/TPE(熱可塑性ポリウレタン/エラストマー)
- ナイロン
- カーボンファイバー
特に、PLAは安価で3Dプリント造形もしやすいことから、特にホビーの分野で非常によく用いられます。
特徴
優れるコスト
- 大掛かりな設備が不要で、デスクトップ型の機種も多く、機器が比較的安価なことが特徴です。
エントリーモデルなら3万円台から始められます。本格的な業務用でも100万円程度からスタート可能です。
- 原材料(フィラメント)の調達が容易
amazonや専門店で簡単に購入できる上、1kgあたり2,000円台からとリーズナブルです。
- メンテナンスが容易
基本的なお手入れは自分でできるので、維持費も抑えられます。
造形品質は決して完璧ではない
正直に言って、造形品質は光造形には及びません。でも、用途によっては十分な品質が得られます。
気を付けたい主なポイントは:
- 積層痕の存在:層と層の境目が縞模様のように見えます。特に曲面で目立ちやすく、後処理が必要になることも。
- サポート材との戦い:突き出た部分には支えが必要で、これを後で除去する手間が。ただ、最近は水溶性サポート材も登場し、この問題は改善傾向にあります。
- オーバーハングの制限:45度以上の傾斜には要注意。うまく造形できないことが多いので、設計時点での配慮が必要です。
ただし、最近の機種は以前に比べてかなり性能が向上しています。特に、0.1mm以下の積層ピッチに対応した機種なら、見た目の品質もグッと良くなります。
材料は選択肢が広い
材料の豊富さは、FFFの大きな強みの一つです。用途に応じて最適な素材を選べます。
定番フィラメント
- PLA:扱いやすく、きれいに造形できる初心者向け素材
- ABS:強度が必要な実用パーツ向き
- PETG:耐熱性と加工性のバランスが良い中級者向け材料
- 木材調フィラメント:本物の木材のような見た目と香りを再現
- カーボンファイバー入り:強度が必要な工業用途に最適
- メタル調:金属のような光沢と重量感を表現可能
活用分野
1. プロトタイプ開発
- 製品開発の初期段階での形状確認
- フィットチェックや機能検証
- デザインレビュー用モデル作成
2. 教育分野
- STEM教育での実習教材
- 建築模型の制作
- 美術・デザイン教育での活用
3. ホビー・DIY
- フィギュアやモデルの制作
- カスタムパーツの製作
- 生活用品の修理パーツ作成
4. 小規模生産
- 少量多品種生産
- カスタム製品の製造
- 補修部品の製造
FDMとFFFの違い
実は、FDM(Fused Deposition Modeling)とFFF(Fused Filament Fabrication)は、基本的に同じ技術を指します。違いは以下の点にあります:
- FDMは米Stratasys社の登録商標
- FFFは商標に縛られないオープンな呼称
- 技術的な違いはなく、造形方式は同一
つまり、FDMとFFFの違いは、単に呼び方の違いであり、技術的な違いはありません。FFFという用語は、オープンソースの3Dプリンティングコミュニティで広く使用されています。
まとめ
FFF方式は、その手軽さと汎用性から、個人使用から産業用途まで幅広く活用されている3Dプリンティング技術です。光造形と並んで特に、プロトタイプ開発や教育分野での活用が進んでおり、今後もさらなる発展が期待されます。材料技術の進歩により、より高機能な造形物の製作も可能になってきており、活用の幅は着実に広がっています。
この方式の3Dプリンター(557機種)
画像が登録された機種を先に、登録されたスペックの多い順に並べています。





